そゞろごと

noli me legere

脳の性能

パソコンを使っている人なら一日何度かは見かけるグーグルのロゴ。しかし色鉛筆であのロゴを描けといわれて、はたして何人の人が正しく色を塗ることができるだろうか。

よほど注意深く見ている人でないかぎり無理ではないかと思うが、どうだろう。

しかし、である。結論からいうと、ほとんどの人はその色を間違えずに脳にインプットしているのだ。ただそれが思い出せない(表象できない)だけのことなのである。

その証拠に、たとえばふだんとは違った色で描かれたロゴをみたら、たいていの人は違和感をおぼえるはずだ。

そんなことを考えたのは、今朝がたみた夢のせいである。夢にグーグルのロゴが出てきて、その色があまりに鮮明だったので、「あれ、こんな色だっけ」とつよく印象づけられたまま目がさめ、半信半疑でパソコンを覗いてみると、たしかに夢でみたとおりの色だったのに驚いた。

脳とはここまで正確に事物を記憶するものなのか、とちょっとした感動すらおぼえた。

ふだんは意識していなくても、脳はとてつもなく多くの情報を蓄積している。問題は、そこから意識的に取り出せる情報がきわめてかぎられていることだ。

この意識の領域をもう少し拡張できたら……そう、ほんのちょっとでいいのだ、それだけで周囲の世界は一変するだろう。これまでぼんやりしていたことが、おどろくべき鮮明さで目に映ってくるだろう。……

オカルティズムの源流のひとつはここにあるんじゃないか、と思った次第である。