そゞろごと

noli me legere

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

由良君美の本

この前ちくま文庫で「みみずく偏書記」が出たので、このまま他の著作も文庫化されるのかな、と思っていたら、今度は平凡社ライブラリーで「椿説 泰西浪曼派文学 談義」が出た。かつて青土社から出た一連の著作のうち、真に傑作と呼べるのはこの本だけだ。そ…

小説家になりたい望み

Aさんは小説家になるのが夢なんだそうだ。ふーむ。で、どんな小説を書きたいと思ってるの? ときくと、とくに決めてないという。いろいろ話をきいてみると、どうやら書きたい小説があるわけでもなく、何を書いたらいいのかさっぱり分らないそうだ。極端にい…

いそしぎからイソシギへ

ある人のブログでイソシギなる鳥を初めて見る。なるほど、これがあの鳥か……いそしぎ、というのは私には非常に懐かしい言葉だ。映画の題で知ったのが最初だが、そのときは意味もわからず、「やすらぎ」とか「せせらぎ」とかと似たような造りの言葉だと思って…

教養主義

教養主義という近代日本独自の思想(?)があって、私などはそれに無関心ではいられない最後の世代かもしれないが、これはもしかしたら過去の一時期に出現した特殊な理念なんかではなくて、あらゆる時代のあらゆる潮流を貫いて持続するひとつの「常数」では…

精神のロンド

勤務時間の変動や社内のごたごたですっかり自分というものを見失っていたが、ここへきてようやっと本来の自分のあり方を取り戻すことができた。本来の自分のあり方、すなわち心と、精神と、魂と、肉体との中心がそれぞれぴったりと重なっている、ということ…

脳の性能

パソコンを使っている人なら一日何度かは見かけるグーグルのロゴ。しかし色鉛筆であのロゴを描けといわれて、はたして何人の人が正しく色を塗ることができるだろうか。よほど注意深く見ている人でないかぎり無理ではないかと思うが、どうだろう。しかし、で…

現代の日本に生れてよかったか

最近ときどき考えるんだけど、基本的には「よかった」と思う。それにはいろいろと理由があるんだが、そのうち少し変ったのをあげてみると、現代の日本からはさまざまなものの「終り」がよく見えるから、というのがある。この百年間にいろんなものが「終って…

落としどころ

ある人のブログを見ていたらこの言葉がでてきた。落としどころ。最近よく耳にする言葉だ。正確な意味は知らないけれども、なんとなく言わんとすることはわかる。それはやっぱり現代日本に生きている日本人だから、いやでもある程度は分ってしまう。この言葉…