そゞろごと

noli me legere

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

閉ざされた庭

フォーレの歌曲集「閉ざされた庭」は、本来なら「仄かなる幻(アントルヴィジオン)」と名づけられるべきものだった。しかし彼はそうしなかった。なぜか。それは彼がこの「閉ざされた庭」という言葉に、自己の歌曲のもつ属性の一面を見たからに違いない。彼…

シルヴィア・プラスの詩

シルヴィア・プラスは顔でだいぶ得をしているし、その壮絶な最期は人々の注目を集めるに足る。それではその詩はどうかというと、じつに魅力的であると同時にひどく難解でもある。詩において魅力的と難解とは両立する、それどころかある意味では両者は比例関…

ナイチンゲールとウグイス

ナイチンゲールを和訳して「夜鶯」とするのはいい。しかしこれを「よるうぐいす」と読むのはどうか。たんに語感の問題かもしれないが、私はこれを「やおう」と音読みしたい。しいて和語に翻したいのなら、「夜啼鶯(よなきうぐいす)」とすればいい。いずれ…

B型の研究

インフォシーク、サービス終了か。本でいえば絶版のようなものだな。絶版本なら図書館で読めるが、消えてしまったウェブサイトはどうやって読めばいいのか。インターネットアーカイヴ? しかしこれもいまひとつ使い方がわからなかった。というわけで消えてし…

神秘説と汎神論

いかにも神秘的なものに神秘を感じる、そんなのはごくふつうの感覚であって、とくにあげつらうべきものではない。私の考える神秘家とは、たとえば野に咲いているありふれた花をみてもそこに神の摂理を感じとる人である。一滴の水に全宇宙を観ずる人である。…