そゞろごと

noli me legere

神託としての詩

最近知った詩人でこれは、と思ったのがシルヴィア・プラス。およそ私が女性に期待するものといえば、丸くて白くて柔らかいなにものかなんだが、シルヴィア・プラスはそのいずれにも当てはまらない。にもかかわらずこの魅力。うーむ、困った困った。

金関寿夫の訳で「楡の木」を読んで興味をもち、ネットでいくつか原詩を読んで、これはもう一本贖うしかないと思った。

シルヴィア・プラスの詩を読んでいると、どうしても月の三相を思い出してしまう。すなわち天におけるルナ、地上におけるディアナ、冥界におけるヘカテである。そういう神話的、元型的な連想をさそうものが彼女の詩にはあるような気がする。そしてその詩の本質はといえば、巫女の唱える神託のようなものではないか。

まだ彼女の詩にあまり親しんでいるわけではないので早計は禁物だが、どうも彼女には破壊的な処女神のおもかげがある。

まあ私のこういう思い込みは外れることが多いのだが……